[主訴]
アトピー性皮膚炎
特に膝裏、腹部外側、手にかゆみが強い
[随伴症状]
不眠症
眼精疲労
下痢
便秘
肩凝り
イライラ
うつ症状
天候で体調は悪化しない
爪異常なし
胃もたれなし
夜間頻尿なし
腰痛なし
倦怠感なし
頻尿なし
[経過]
10代で発症
10代後半で一度緩解したが3年前から再度悪化
ステロイドを使用しているが全くよくならない
ステロイドを使用し続けるのが怖くなり鍼治療を試してみることにした
最近は夜も眠れないほどかゆみが強く鬱症状もある
[診断]
随伴症状から肺と肝の治療とする。
肺は補法、肝は補中の瀉
かゆみが強い部分は瀉的散鍼と刺絡の併用
[考察]
甘いものと小麦製品を極力控えるように、できれば植物油も避けるように伝える。
初月は基本的に週2回の治療
4診でかゆみが軽くなるのを実感。
以前より夜に眠れるようになったがまだ2回ほど起きる。
2か月目から週1~2回の治療
最初の皮膚の赤みが10だとすると9診で6程度になった。
痒み自体も半分ほどに落ち着いている。
甘いものと小麦製品は極力気を付けている。
20診で皮膚の赤みは3程度になった。
痒みも大分落ち着き夜中に起きることが少なくなった。
痒みが落ち着き夜も眠れる時間が増えてかなり精神的に落ち着いてきている。
33診で表情も明らかに明るくなってきた。
調子が良いので菓子パンを食べてしまい痒みが悪化したため、小麦や甘いものが体に合わないことを自覚。
引き続き食べ物に気を付けて調子は良好。
アトピー性皮膚炎とともに下痢や便秘なども改善。
現在はステロイドをほとんど使用していない。
アトピー性皮膚炎はかなり苦痛をともなう病気の一つである。
痒みのためにイライラ、不眠、うつ症状が併発し日常生活に支障をきたす。
治療ポイントとしては食事の見直しと肺の治療。
特に小麦製品、甘いもの、乳製品を断つことで改善する患者さんが多い。
痒みがよくなってくると患者さんの雰囲気も明るくなってくるので治療も楽しくなってくる。