季節と脈状の関係

脈は季節によって変化します。

 

春に春の脈を打っていれば健康です。

 

季節ごとの脈状をまとめます。

 

脈状とは

脈拍数、脈圧、血管の緊張、拍動容積

 

まず1年を6分割します。

 

  1. 少陽の季節 2月、3月
  2. 陽明の季節 4月、5月
  3. 太陽の季節 6月、7月
  4. 太陰の季節 8月、9月
  5. 少陰の季節 10月、11月
  6. 厥陰の季節 12月、1月

1.2.3は陽の字がついています。

陽気が多い季節です。

陽気とは動的、外交的、熱性の気です。

 

4.5.6は陰の字がついています。

陰気が多い季節です。

陰気とは内向的、静的、寒性の気です。

 

<少陽の季節 2月、3月>

 

暖かい日が増えるとともに体内の陽気も盛んになってきます。

脈も大脈や長脈などの陽の脈を打ち始めます。

しかしまだ陰気が残る季節なので陰の脈である短脈もみられます。

 

短脈

米粒のように短い脈

 

長脈

寸関尺(脈診部)からはみ出るほど長い脈

 

 

<陽明の季節 4月、5月>

暖かくなってくるので陽気が増えてきて脈が浮いて大きくなります。

ただ、まだ陰気も少し残っている季節なので陰の脈である短脈が現れる場合があります。

 

 

<太陽の季節 6月、7月>

陽気が盛んになる季節です。

脈は洪脈、大脈、長脈などの陽の脈が現れます。

短脈などの陰の脈は陰気の減少とともに見られなくなります。

 

<太陰の季節 8月、9月>

少しずつ涼しくなってきて陰気が増えてくる季節です。

暑さはまだ残っているので大脈や長脈がみられますが、寒い時期に現われる緊脈がみられるようになります。

 

緊脈

緊張して細い脈

 

<少陰の季節 10月、11月>

さらに陰気が増してきます。

大脈や長脈が少なくなってきて緊脈が増え、細くなり、脈が静まってきます。

 

<厥陰の季節 12月、1月>

最も陰気が多い季節です。

陰気が多いので脈が沈んで、重く、短くなります。

 

このように季節によって脈も変化します。

冬は沈んで短い脈を打つのが正常です。

冬に浮いて長い脈を打っているのは病的です。

 

季節に合った脈に近づけるように治療します。