脈診において、
脈診部位の表層で陽を診て、深層で陰を診る。
表層が虚していて、深層が実していれば陰盛陽虚。
深層が虚していて、表層が実していれば陽盛陰虚。
陰盛（陰実）とは陰気の盛んなことをいう。
身体の機能が低下している人の陰気が一時的に旺盛になること。
のぼせ、熱感、口の渇き、便秘、心悸亢進、発熱、むくみ、顔面紅潮などの症状を表す。
陽虚とは陽気（温める力）が不足していること。
寒がり、手足の冷え、下半身の冷え、水様便、嗜眠（眠気が強い）などの症状を表す。
陽盛（陽実）とは陽気の盛んなことをいう。
陽気は熱性なので、陽気が盛んになると体が熱性に傾く。
発熱、口渇、無汗、手足のほてりなどの症状を表す。
陰虚とは陰気が不足していることをいう。
身体の機能が減退して血や水などの水分が不足し乾燥している状態。
痩せ、貧血、消化不良、冷え性、下痢、腹部軟弱、心悸亢進、寝汗などの症状を表す。
脈は沈、細い、弱。
陰陽は相対的なものなので、脈においても基本的には陽が虚していれば陰が実しているし、陰が虚していれば陽が実している。
治療においては、例えば陰盛陽虚の場合、虚している陽を補い（エネルギーを補い）、実している陰を瀉す（邪気を取り除く）。