脈診で臓腑を診る

皆さまこんにちは。

 

今日は脈診についてお話してみたいと思います。

 

私がいつも診ている脈ですが、

 

手首の脈で何がわかるのか気になりますよね。

 

基本的には脈拍、脈の浮沈、強弱で臓腑の状態を診ています。

 

写真の3つの赤丸が指を当てる場所です。

(左側の余分な線は書き間違えです)

 

脈には深さがあって浅い部分を浮(ふ)深い部分を沈(ちん)といいます。

 

一番上の赤丸の浮の部分で小腸の状態を診て、

 

沈の部分で心の状態を診ます。

 

このように一つの赤丸で2つの臓腑を診ることができますので、

 

左右6か所で12の臓腑を診ることができます。

 

手首の脈だけで本当に臓腑の状態が診れるのか気になりますよね。

 

おそらく脈だけで全てを把握できる鍼灸師もいると思います。

 

しかし私の場合は問診や腹診、舌診、触診等を経て最後に脈で決めます。

 

脈だけで判断することはないですね。

 

まあ、脈だけで判断できるようになればすごく素晴らしいですけど。

 

もう少し詳しく話すと、

 

この赤丸の部分は肺の経絡が通っています。

 

肺経は気と血の出発点です。

 

肺経→大腸経→胃経→脾経→心経→小腸経→膀胱経→腎経→心包経→三焦経→胆経→肝経→肺経

 

という風に循環しています。

 

気は肺経を出発して24時間で身体を50周してまた肺経に戻ってきます。

 

つまりこの肺経の部分が気の始発であり終着であるから、全ての臓腑を巡ってきた肺経に臓腑の情報が詰っていると考えるのです。

 

まあ、な~んとなくわかりますよね。

 

でも手首で臓腑の状態を診れる理由はそれほど重要ではありません。

 

「手首で診れる」という事実があるだけで十分です。

 

たとえば、風邪を引くと脈が速くなり、浮いてきて、浮の部分が実(強く)なります。

 

この情報だけで治療方針がほぼ決定します。

 

風邪を引いたら脈を診てみてください。

 

ほとんどの方が上記の脈の状態になっています。

 

とても面白いですね。

 

それではまた明日!

 

おやすみなさいませ。